上段回し蹴りで地球を救うふりをするブログ

読者たちが「クスッ」と笑えるようなおバカブログを書いています。あ、上段回し蹴りと地球は全くないです。

M先生は絶対「空手バカ」だ!

私の現在通っている空手道場で、ある師範代がおられる。

 仮名として「M先生」としよう。

M先生は一言で言うと、「空手バカ」である。そうとしか表現のしようがない。

 

M先生は50代と壮年だが、性格はとても温厚で、「JKが目的で入会した」そんなゲス野郎の私にも礼儀正しく接して下さる。その都度、私の胸がチクリと痛むのは言うまでもない。

 

そんなM先生であるが、M先生の一番の魅力は「人を惹きつける」だろう。

M先生は明るくてムードメーカーでもある。稽古中によく生徒を笑わせ、楽しい雰囲気をつくり上げるのがとても上手である。角野卓造さんみたいな雰囲気を持っておられる。気のせいか顔つくりも似てるような気がしてきた。

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※俳優の角野卓造さん。多分M先生は「角野卓造じゃねぇよ」と否定しそう。

 

とここまでM先生の良さを説明すれば、M先生と稽古したいなぁという思いに駆られる読者もおられるだろう。

しかし待って欲しい。

冒頭にも説明したように、M先生は「空手バカ」である。

 

M先生は身長が低く、成人女性の平均身長をやや上回るくらいだろう。体重も65キロにも満たないかもしれない。

しかし体格はマッチョである。ボディビルにありがちな「いかにもトレーニングで作り上げた肉体」ではなく、「格闘によって作り上げた肉体」である。

筋肉が無駄に発達されておらず、機能的美や自然美的な肉体である。

男女問わず「ウホッ!いい体!」と誰もが思うだろう。M先生のそんな美しい肉体を見た時、私が新しい何かに目覚めかけたのは内緒にしてほしい。

あ、この前、M先生がベンチプレス100キロを6回挙げ、私がドン引きしたのは記憶に新しい。

 

そんな筋力を持っているのだから、実力は言うまでもないだろう。マンガによく出てきそうなヒョロガリのチンピラ相手ならなんとか倒せそうな私でも、M先生と組手(スパーリング)すれば、恐らく100回戦っても、100回負ける。まず相手にならない。

例えると、クリリンとブリーザー様である。

 

ただ負けるならともかく、M先生の突きのスピードが変態レベルで、しかもゴルゴ1◯並に、正確に人の急所を突く(パンチを出す)。急所とは、みぞおちなど、基本的にお腹辺りと思ってもらっていい。

私が突きを出そうとした時には、もう私のボディが突かれていた。最初は「えっ?」と理解が追いつかず、ビビって戦意喪失した程だ。

 

そして極めつけが、この前、M先生と組手した時、私のみぞおちに連続で変態レベルのスピードでの突きをくらい、生まれて初めて吐きかけた。

まず私の体が動かなくなり、「生命的に死ぬ」と直感し、「体が破壊される痛みが連続的に続く」とはこういうことかと初めて経験した。

 

その時、私は「素人に何で本気出してんねん!大人気ないやん!」と恨みがましい目でM先生を睨んだ時、M先生の目は完全にイッてた。いや、侍か戦士の目だった。もしあの時、私がキレてM先生に反撃しようとしたら、瞬時に意識を刈り取られていたかもしれない。

それ程あの目はヤバかった。今思い出しても震えるくらいである。

結局、戦意喪失して膝をついた私にM先生はこれ以上反撃せず、そのまま組手は終了した。

弱者と強者。その差を嫌になる程思い知らされた組手であった。

 

しかし、そんな私は「これが空手か!強くなるとはこういうことなんだ!」と斬新な体験と、これから空手を極めるんだという高揚感を高め、私の闘争心をより駆り立てた。私はこう見えて単純な男である。

しかし数カ月後、その闘争心を、「大魔神」に木っ端微塵に打ち砕かれるとは知らず。