マッスル北村という伝説の男④
マッスル北村さんの波乱万丈に満ちた人生を、私なりに書きたいと思う。
彼は「伝説のボディビルダー」そのものだった。
私は彼と出会う機会は結局なかったが、彼を偲ぶファンたちが建てたサイトをご拝見し、彼の生きた軌跡を辿った。
彼は1960年10月6日に生を受け、
家族に愛された幼少期を過ごし、
わんぱくな少年に育ち、
充実した中学・高校生活を送り、
大学時代にボディビルと出会い、
青春の全てをボディビルに捧げ、
関東学生選手権大会で優勝し、二年越しの雪辱を果たし、
社会人大会へステップアップし、
東大中退、東京医科歯科大中退を経て、
若手のトップビルダーとして活躍し、
仲間たちと競い合い、または励まし合い、
やがて、「ジャパンチャンピオンシップス」日本大会で優勝するも、
ドーピング疑惑で失格となっても、決して情熱を消すことなく、
頑固な意志、執念なまでの努力で、念願の世界大会出場を果たし、
世界で4番目のボディビルダーとなり、
タレントとして芸能界に転向し、
仕事とボディビルの2つを両立させ、
彼は更なる高みを目指し、
鍛え、
とことん鍛え、
魂を燃やし尽くすように鍛え、
更なる筋肉、更なるレベルを得て、
それでいて、周囲を幸せにする笑顔を振りまき、
多くのファンに愛され、
動物をとことん愛し、
筋肉の限界をひたすら追い求め、
アメリカのボディビル大会で3位を取り、
アメリカのボディビル大会で日本人初の優勝を目指し、
無謀としか言いようがない減量の果てに、
2000年8月3日。彼は39歳の若さで生涯を終えた。
私はこれ以上、多くは語らない。
ただ、これは言わせていただきたい。
マッスル北村。
彼ほど愛されたボディビルダーはいなかった。
彼の死後も、多くのファンに愛され続けている。
私も彼に魅了されたものの一人だ。
信じられないことだが、彼の死後、自伝書が3冊も発行されている。
それ程まで、彼は凄かった。伝説だった。多くの人を惹きつけた。
今後、マッスル北村を超えるボディビルダーは出現しないだろう。
例え、筋肉でマッスル北村を超えたとしても、人間的魅力、そして魂で彼を超えるボディビルダーは出ないだろう。
大変長くなったが、最後にこの言葉で締めたいと思う。
マッスル北村。
あなたは本物のボディビルダーでした。
合掌。