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上段回し蹴りで地球を救うふりをするブログ

読者たちが「クスッ」と笑えるようなおバカブログを書いています。あ、上段回し蹴りと地球は全くないです笑

私が風俗嬢に恋し、恋愛ED(イ◯ポ)になった理由 その③

私の苦い経験

灼熱の夏が去り、爽やかな風が到来を感じさせる今日みたいな秋、私とマキは風俗店のスタッフルームに呼び出されていた。私とマキは椅子に座り、感情を殺した表情の店長と机を挟む形で、向かい合っていた。呼び出された理由は言うまでもない。マキとの「店外デート」がバレたためだ。

 

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最初、私はハメられた?この後、ヤクザが出てきて恐喝される。弱みを握られる。お金をたかられる。そんな負の想像で非常に動揺していた私は横目でマキを見るが、マキはずっとうつむいたまま。そこへ店長の重苦しくも疲れ切った声が響く。「兄ちゃん、うちが店外デート禁止なの知ってた?」「・・・はい、知っていました。」「でもお店には内緒でしていたよね?」「・・・はい。」「そういうの、困るんだわ。それ、完全に立派な売春なんだよね。売春防止法違反にひっかかるの、知ってた?」「・・・いえ。」「だよねぇ、兄ちゃんは遊び慣れてなさそうだし、マキちゃんもまだ新人。こういうのたまにあるんだよね。」「・・・すみません。」「幸い、今回は警察にマークされなかったからいいけどさ、これ見逃せないよ。」「・・・はい。」「マキちゃんにはもう言ったけど、今日限りで解雇ね。後、兄さんも今後は出入り禁止だから。」「・・・はい。」「マジで二度目はないから。さぁ、話は終わった。出てって。もう面見せないで。」

 

私とマキは放り出される形で店を後にした。恐らく、これでも店長はかなり妥協して、見逃してくれたのだろう。私たちは呆然しつつも、どちらともなく歩き始める。澄み渡り曇り一つない青空が、非常に憎く見えた。私たちは分かっていた選択を、いずれは迫られる判断を下すべく、喫茶店に入った。

 

マキは店を出てもうつむいたまま。私はとりあえずコーヒー2つを頼む。私はマキにぼつりと呟いた。「・・・マキ、怖かった?」するとマキは首をコクンと振り、「・・・うん、店長さんすごい怖かった。あんなに怒られたの初めて・・・。」俺は目を覆った。「・・・完全に俺のせいだ。知らなかった。まさか店外デートが、営業禁止処分に関わるなんて。本当にすまなかった。」「ううん、謝らないで。アキオさんは悪くないから。」「いや、どう考えても俺の方が悪いだろ。」「ううん、私が悪いの。私が分かっててアキオさんを誘ったの。」声がか細くも、はっきりと自分の意志を主張した女の言葉に、とうとう俺は二極の選択を迫られた。

 

男の責任をとるか、破局するか。いや、元から付き合ってはいなかった。ただお客様と風俗嬢の関係。

 

こうなることは分かっていた。分かっていたんだ。私はマキの生気溢れる、瑞々しい美しさに惹かれ、マキの若い肉体の虜になってしまった。でも、それはあくまでも肉体関係として。恋愛対象としては見なさず、私の愚かな肉欲をただただぶつけるだけの関係だった。つまり、最初から壊れていて破綻していた恋愛だった。いや、恋愛ですらなかった。性欲のぶつけ合いだけだった。私の一方的の。

 

でも、今なら間に合う。今。この場で恋人の関係になれば、スタートは最悪だったとは言え、まだ私たちの物語は終わらない。何らかの形で続いていくはずだ。それは分かっている。分かっているんだ。でも。

 

私はマキを恋愛対象として見ることが出来なかった。マキを一人の「都合のいい女」としか見ることが出来なかった。私の腐れ切った性欲の犠牲者として。マキはまだ少女と呼ばれてもいい10代、光り輝く未来が約束されている、一番大事な時期。こんな彼女の未来を、これ以上、私の汚れきった肉欲で潰してしまってもいいのか。いや、出来るわけない。じゃあ、他にどうしろと。

 

「・・・マキさ、これからどうするの?」「うん、地元に帰ろうと思ってる。」「地元が窮屈でつまらなくて、ここに来たんじゃないの?」「ううん、私もう疲れちゃったから。しばらくは家でじっとしている。」「なんなら、しばらくの間は俺の家に・・・。」「ううん、それもいい。」「いや、遠慮するな。今回は俺に責任があるから。」「私、アキオさんを困らせたくない。」「お金の心配はしなくてもいい。仕事も俺が一緒に探す。」「いや、いいから。」「どうして?」「だってアキオさんはすごく優しくて、すごく真面目だから。」「だから?」「私のこと好きじゃないのに、責任感と好意心でここまでしてもらいたくない!」

 

ここに答えは出た。いや、最初から約束されていた。私はマキの肉体を欲求し、マキは私との恋愛を欲求していた。すれ違いは最初からあった。私はマキとの恋愛を要求はせず、マキも私の性欲を要求していなかった。二人の答え、二人の行き着く果ては真逆だった。それだけの話だった。

 

どれだけしばらく時間が経ったか。私の乾いた声が響く。「・・・ここを出ようか。」「・・・うん。」話し合いはそれだけで終わった。あっけない程簡単に。喫茶店を出た私とマキはしばらくの間歩く。少しでも引き伸ばすため。引き止めるため。悪あがきするため。ひたすら歩いた。

 

「・・・駅はここで合ってる?」「うん・・・。」「・・・じゃあ、お元気で。カゼ引くなよ。」「うん、アキオさんもお元気で。お仕事頑張ってね。」「ああ、さようなら。」「さようなら。」マキは最後に、いつものような儚げな笑顔を見せた。

 

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マキの姿は駅の構内に吸い込まれて、小さくなっていた。長く美しい黒髪を揺らせながら。マキは最後までこっちを振り向かなかった。しかし私は小さくなるマキの背中を、黒髪を最後まで見届けた。こうして、私は失恋した。いや、恋すらしていなかった。あれ以来、マキとは会っていない。

 

当然、しばらくの間は自分の情けなさに愛想が尽き果てて、毎日ウイスキーを飲み続けてお酒に逃げ、自暴自棄の生活を送っていた。

 

 

 

 

 

あれから5年後。正直、今でも私の中で答えが出ていない。あの選択で正解だったのか。マキの優しさと意地はりをも包み込むべきだったのか。それとも悪男らしく演じ切るべきだったのか。その答えが得られるまで、私は恋愛が出来そうにもない。恋愛と性欲、その違いが、私の頭ではっきりと決着つくまで。

 

果たして、私がマキに引かれたのは性欲のためだったのか。あるいはあの儚げな笑顔に見た恋愛だったのか。答えは今も見つからない。

 

あまりにも救いがないので

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・というエロゲーを、今度作ってみたいみたいお。

 

 

 

 

以上。皆さんは素晴らしき恋愛を!

 

文字数2626文字

所要時間1時間26分