上段回し蹴りで地球を救うふりをするブログ

読者たちが「クスッ」と笑えるようなおバカブログを書いています。あ、上段回し蹴りと地球は全くないです。

元大学生石田くんへの手紙

石田くんは元気だろうか。ふと私は思った。

 

石田くんといえば、一時はてなブログで話題となり、たくさんの人々から注目を集めた少年。元大学生で起業を目指した少年。はてブ数1000超えと、未だに語り草レベルでバズった、あの記事を書いた少年。

 

正直に打ち明けよう。私は最初は「羨ましい!」と妬んでいた。たかが18才の少年の「大学を辞めて、起業しまーす」とブログに投稿した一記事が、あれだけ世間にウケるなんて!大学を中退して、起業を目指す人は山ほどいるのに。

 

「大学を辞めて、起業しまーす」記事が見事にバズって、私からしたら信じられない程の注目を集めた。

 

これは非常においしい。たとえ、意識高い系(笑)の記事であっても、世間から注目されるのはメリットは大きい。はてブ数1000超えを見るように、関心度が高ければ高い程、顔が広まり、コネが作りやすく、何よりも宣伝に手間と時間とお金をかけなくてすむ。起業を目指す方々にとってはのどから手が出る程欲しいもの。

 

これを、ブログに書いただけで成し遂げたのだから、私は石田くんを「もっている!」人だと感じた。ネットで多少は叩かれるだろうが、石田くんの成り上がり物語を、私の中で勝手に期待していた。

 

しかし、石田くんのその後は消息不明である。

 石田くんが最後にツイッターで呟いた、

 

 

「もうしばらくブログもtwitterもお休みします。」

 

この言葉に、私は「あ、しくじったなー」と感じた。もしかしたら裏では着々と起業を進めている可能性も微レ存だが。

 

でもさ。このオチは読めていたんじゃね?

 

そもそも彼は18才だぞ。まだ少年の範囲だぞ。お金も経験もコネもない。あるのは若さと勢いくらい。彼のブログを何回も読み返しても、「オラ、今の環境に退屈しているから起業する!」としか読み取れなかった。

 

ブログで自ら宣伝し、マジで起業を目指したのはいいもの、後になって超ハードモードな現実に手ひどく打ちのめされ、「やっぱ、無理やったわ!」と舌を出して、テヘペロ☆して終わり。90%はこんなオチだろう。

 

しかし、石田くんの場合はそうならなかった。話題が話題なだけに、あれこれ「バッカモーン!」系なコメントが殺到。

 

そのコメントの割合は、

 

「もったいない!」と親身になって怒ってくれる人・・・2割

「行動力あるやん!頑張れ!」と応援する人・・・2割

「面白そう!俺関係ないけどw」とはやし立てる人・・・5割

「こいつナマイキやな。せや、叩いたろ!」の人・・・1割

 

といった感じだろう。問題は、その規模が大きすぎた。

 

連日来るコメント。ネットで話題にされ、あれこれ探られる。彼の行動一つ一つで、勝手に盛り上がられる。しまいには人目を気にしすぎて、外出すら怖くなる。

 

これ、きっつー。このプレッシャー、3✕歳の私でも効くわー。泣いて布団の中でウジウジしたくなるレベルだわー。

 

このプレッシャーに石田くんのメンタルがやられたのか、現時点で彼のブログの更新はなし。消息不明。

 

私は石田くんを心配している。割りとマジで。何故なら、彼の今後の人生はもう詰み気味だから。18才の若さでだぞ。

 

仮に石田くんが挫折して起業を諦めたとしよう。食っていこうとバイト先を探したとしよう。

 

「あなた、起業を目指されていた、あの人ですよね?笑」

 

と面接官から笑われ、不採用。雇うにしても彼は顔を知られすぎたし、何より根性がないのはバレバレ。多分、私が雇う立場になったとしても、石田くんを雇うのは厳しいだろう。

 

こんな感じでどこにいっても、石田くんは「あの人」として片付けられてしまう。

 

「考えなしに大学を中退して、起業して失敗した若者」とレッテルを勝手に貼られて。このレッテルは一生とれないだろう。マジで起業して成功でもしない限り。

 

きっつー。石田くんは悪いことしていないよな?犯罪を犯していないよな?「私起業します!」と少し生意気にも大人ぶっていた、どこにでもいる少年だよな?

 

それがネットでは、なぜか犯罪者扱い。「それ見たことか!」と周囲は勝手にはやし立て、勝手に納得して、終わり。正直、石田くんは人間不信に陥ってもおかしくない。テロリスト化しても、こちらが申し訳ないと思うレベルだ。

 

故に、私は石田くんにこうエールを送りたい。

この記事が石田くんに読まれる確率はまず低いが。

 

一度しくじったっていいじゃないか。

 

私自身、転職を経験した身だからこそ言える。私も転職を決めた時は「しくじったかも。俺の人生詰んだわ。」と諦め、人生ドロップ組入りを覚悟していた。でも私は生きている。今、この記事を書いている。

 

それでいいじゃないか。

所詮そんなもんさ。

 

石田くんがいつの日か、とあるスナックで「ああ、俺も青かったわー。青かったわー。」と鼻をだらしなく伸ばしながら、目当てのあの子の気を引こうと、自らネタに出来る。

 

この光景になることを私は心から願っている。

 

以上ー!

 

文字数2033文字

所要時間1時間13分