VRという革新技術を肌で知るため、個室ビデオへ冒険してきますた
VR技術。
このワードは去年から気にはなっていた。
何でも、コンピューターにより、目に見える視覚などを主に、擬似的に作られた世界を体験できる技術というらしい。
ざっくりいうと、「大きなゴーグルをつけて、ゲームや漫画などの作られた世界へ入り込める」
である。PS4の「PSVR」が分かりやすい例かもしれない。
正直、私は新しいものの体験したさに購入を検討していたが、アマゾンさんでPS4さんとセットで、福沢諭吉さん8人すると分かり、即挫折した。
しかし、私のソウルの中で、
「それでええんか?後悔しないんか?」
うるさい。福沢諭吉さん8人やぞ?たかがおもちゃで、そこまで出せるか!
「体験しないと損やで?感動があるかもしれへんで?」
ああ、確かに体験してないよ。俺は童貞だよ。でも!でも!
「お金の問題とちゃうやろ?」
福沢諭吉さんが8人いたら、泡姫のお城へ4回は通えるんや!4回やぞ!
と非常にしょうもない理由で、購入をためらって、今に至っていた。
しかし、先日とあるツイッターを見て、
「個室ビデオで体験したアダルトVRの衝撃が抜けない。」
神声にも等しいつぶやきを知り、私は個室ビデオへ大冒険する決意を固めた。
だって私は失うものなにもないし。無職だし。
私自身全くの盲点だった。
なぜ気づかなかったのか、自分の未熟さ、ノータリンさをひどく殴りつけたい気持ちすらした。
個室ビデオは漫画喫茶みたいなもので、漫画だけではなくビデオなどを、個人部屋で一人きりで楽しめる場所であり、お店にもよるが料金は1時間1000円からと、非常に財布に優しい価格である。
そこへ倍ドン!
でアダルトVRなるものを体験出来るらしい。VRとアダルトという最強合体である。異論は認める。
数日後。
私は個室ビデオ店の前に立っていた。新しい冒険場へ立っていた。私の下のテント化を必死で抑えつつ。
私はエロ目的で来ているんじゃない。
冒険で来ているんだ。
新しい感動を、
未知の経験を、
知らないことを知る喜びを得るため、
ここへ来ているんだ。
見ぬ大地を想像して、興奮しているんだ。
私は周りを見渡し、知り合いがいないのを確認して、ステップを踏むかのように中へ入った。
階段を一歩一歩、力強く踏みしめていく。私の決意が吹き飛ばされないよう、逃げないよう、自分に気合を入れて。
ドアが開く。
店員さんの決まりきった挨拶、
「いらっしゃいませー!」
「え、あう、うひょえええ」
私はびびっていた。だって個室ビデオを知らないもん。初めて来る場所だもん!
「本日はどのコースを利用されますか?」
「お、おっ、おっづ」
「ここを利用されるのは初めてですか?」
「あっ、は、ぇ、は・・・」
日本の歴史を作ってきた偉大なる人物が年をとり、老人となり、若い人に「おじいちゃん、おしっしーしましょうねー?」と介護され、人としての尊厳を奪われる感覚を感じつつ、店員さんの説明をいただいた。
私の無知につけ込んで、ジョークグッズというオプションをつけられ、1時間1500円コースで料金を支払うことになった。高いのか安いのか、今でもよくわからない。
この時、ジョークグッズとは、TE◯GAなるものを指すのを初めて知った。ここでTE◯GAを知らない、純粋な子はこれ以上読まないほうがいい。警告はしたよ!
私の怒りつつも決して拒否はしない、ツンデレ的な態度に店員さんは魚を見る目つきで、安っぽいかごを差し出してきた。
そのかごの中には、私が夢見たVRゴーグルの実物と一緒にオ◯ホの実物がセットが入っていた。
それを両手で恭しく受け取る際、私の中で何かが死ぬのを全力でスルーした。恥?それおいしいん?ん?
その時、隣の客と目が合ってしまい、「よぅ兄弟」的な視線をもらった時は、「ああ、こうやってグラビアアイドルからAV堕ちしていくんやな」と何かを悟ってしまった。
何はともあれ、指定された番号の部屋に入り込み、すぐにドアの鍵をかけ、途中で開かないか何度も確認した。つうか途中で入られたら、誰でもダブル正拳突きをかますぞ。まぢで。
私は侍の顔をし、
VRゴーグルをパソコンにつなぎ、
個室ビデオ専用のページを開き、
商品ページのように上から下まで並んでいるAV作品の中から、
私の最近のお気に入りの女優の白石茉莉奈さんのナース物作品を、
マウスを死ぬほどダブルクリックさせ、
そして新しい世界を見た。
何回もPCをいじり、説明書を読み、再トライした。だからこそ言える。
このVRゴーグル壊れてるやんけ!!!
ふくろうみたいに首をくるんくるんと回転して、文字通り360度、今までになかった視界を見れたけどさ。AV撮影現場を隅から隅まで見れたけどさ。
これはないだろ!これは!
別の作品と別の作品が混ざってるやんけ!
左の作品はフリーズしたみたいにとまって、右の作品はいつも通り動いていた。あはーんしていた。
私はなんか夢からさめた気持ちになり、
VRゴーグルをそっと机の上に置き、
使わないはずだったジョークグッズを手に取り、
私の下の怒れるエクスカリバーをさやに収め込み、
数秒後、
「争いはむなしいものだなぁ。」
店員さんに抗議をする気力もなく、賢者になった私は店を後にした。
このように、VR技術の凄さを目で見てきた。
確かにすごかった。技術の進歩を目の辺りにして驚いた。
ただ。
仮想世界に入れたかと言えばNOだと思う。まだまだ技術が足りないと感じた。
結局、攻殻機動隊みたいなバーチャルな世界は、後何年か、あるいは十年を待たないといけないかもしれない。
まぁ、VR技術の今後の発展に期待して、今は白石茉莉奈さんの制服コスプレ物で心を落ち着かせよう。
以上ー!
所要時間1時間24分
文字数2299文字