上段回し蹴りで地球を救うふりをするブログ

読者たちが「クスッ」と笑えるようなおバカブログを書いています。あ、上段回し蹴りと地球は全くないです。

上段回し蹴りで会社の上司と部下たちを倒してみるその④

(現実世界)

アキオ君の様子がおかしい。A主任がそう確信を抱いたのは、アキオ君のそばに近寄った時だった。うつ病に見られがちな無気力感・気だるさを漂わせていたと思えば、急にアキオ君の顔がドヤ顔になっている。おかしい。テンションが上がるにしても急すぎる。

 

ハッ!も、もしかしてクスリ!?そ、そんなバカな!あのアキオ君に限ってそんなことはあり得ない!でも!でも!アキオ君だって人間だ。アキオ君が心身共に追い詰められているなら、クスリに走るのも決してあり得ない話ではない。

 

なんてこった。僕は頼れ、信頼していた、愛すべき部下たちをクスリに染めさせてしまったのか。上司失格だ。僕は無能だ。こんなことなら主任へ出世の打診が来た時、「私よりアキオ君の方がふさわしいですよ」と辞退するべきだった。カミさんの手前カッコつけてしまった己を深く悔やむ。

 

クソッ、僕は何も出来ないのか!このまま指をくわえて見ていることしか出来ないのか!?畜生っ!!

 

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 (脳内世界)

私のこんしんの一撃で瞬く間に部下Aを倒した。

部下たちは一瞬の出来事に頭がついてこないせいか、未だに混乱している。私と部下Aを交互に視線を移しながら、どう行動すればいいのか、オロオロしている。

チャンスだ!!!

私は続けて、部下Bを一撃必殺で倒すべく、こうげきを繰り出そうとした瞬時ー、

「ふんぐるい むぐるうなふ  きうむるなが ふたぐん!」

クトゥルフと成り果てたA主任の怒声が、部屋中に響く!その直後、部下たちの行動が急に機敏化し出した!ちっ、A主任は腐ってもA主任か!もう私のこうげきを見破った!だが、もう遅い!私は息を吸い込み、腰をかがめ、足にバネをため、豹が如く狩るべく、先手と同じこうげきを部下Bに放ったー!

 

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よし、これで二ひきめ。

泡をむいて、白目で失神していく部下Bを一瞥すると、「相手が悪かったな。出直すんだな。後輩よ。」とそれきり見向きもしなかった。

そう、金◯蹴りである。

私は◯玉蹴りを部下AとBにはなったのだ。金◯蹴り。正に急所を狙う一撃必殺の技。誰もぼうぎょしようがない。

読者の方で男性のあなたなら、◯玉の痛みは十分過ぎるほど理解できるだろう。金◯は基本的にブランブランさんであり、守ってくれる骨も筋肉もなく、それが故直接攻撃を与えれば、胸や脚による皮膚敵痛覚ではなく、内臓感覚に通ずる痛みを与えるのである。たった一撃で悶絶するのは、この通りである。

しかし、A主任に私の金◯蹴りを見破られた。次からは絶対◯玉を守るよう、部下に指示したのだ。残る部下たちは金◯を守るべく、がに股になりつつも、私に着実に近寄ってくる。タックル狙いで。

 

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「ヤバイ。」

現状の私の位置を頭の中で冷静に把握しつつ、先程から冷や汗が止まらない。距離を着実に詰め寄られている。部下たちがさっきの動揺が嘘だったかのように、群れで狩りをする狼の目をしている。だめだ、冷静になられている。クソッタレ。これもA主任の存在の大きさが与える安心感か!部下たちが多いのでも十分厄介なのに、A主任がこれほど厄介とは!

 

とうとう部下たちの距離が、あと一歩で私をタックル出来る位置まで来た。もちろん金◯を守るべく、ぼうぎょを怠らずに。ますます焦る私。金◯蹴りは基本的に相手が無装備でかつ動いてない所を狙う技。逆に言えば、相手が警戒し、常に動き回ればピンポイントで◯玉を狙うのは非常に難しい。そう、今のように。

 

・・・仕方ない。もとより不利な勝負なのは百も承知。賭けに打って出る!私は部下Cに先程と同じ、金◯蹴りを繰り出した!

 

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クソッタレ。かわされたか。当然だ。基本的に金◯蹴りは不意打ちの技。警戒されたらまず当たらない。私のこうげきをかわした部下Cはドヤ顔をしている。A主任の喝采する声が聞こえる。しかし私はアホウの鳥のように、再度金◯蹴りを部下Cへ叩き込もうとする。部下Cはそれを察してぼうぎょをし、私の◯玉蹴りをかわそうとする。私はそこを狙った。

 

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目突き。指をピースサインのように広げ、相手の2つの目を的確に突く技。これも金◯蹴りと同じく、不意打ちの技。初見殺しの技。ファーストアタックに用いる技である。部下Cは私の金◯蹴りを警戒するあまり、腰が引けており、頭を突き出す格好になっていた。しかも動きをとめて。私はこの好機を逃さなかった。目をおおい寝転がりながら、絶叫をあげる部下Cに「運が悪かったな。恨むならA主任を恨みな。」と捨て台詞を決めたその直後、私の体はタックルされた。

 

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私が部下Cへ目突きをしている隙を狙い、部下Dにタックルされた!私の脚を抑え込まれた!クソッタレ!これで私の動きが80%殺された!こうげきもぼうぎょもままならない!部下Eも私をタックルすべく、急激に距離を詰めてくる。「いあ!いあ!くとぅるふ ふたぐん!」と高笑いするA主任。その声が極めて不愉快に、死神の死の世界への誘いの声にも聞こえてきた。

 

金◯蹴りも目突きも使えない。それどころが動きすら満足にできない。部下Dが必死に私の脚にへばりついている。決して放さないかのように。これでは蹴りが使えない!そんな私を更に追い詰めるべく、部下Eにもタックルされた!部下Eは私に抱きつく格好で私の両腕を押さえ込んだ!これでパンチも使えなくなった!A主任が「ぬぐるふぃ げんあふぃ たぶぢあん ふたぐん!!」と叫ぶ。私はいよいよ生命の危機を感じた。このままでは負ける。終わる。そんな!A主任に!A主任に!

 

私はこの時、理性のタガが外れた。獣へと成り果てた私は起死回生の一手を放ったー。

 

以上~!次回へ続く!なお、次回で終わりの予定です。

ここでまた問題です。

部下Dと部下Eにタックルされ、もはや動けない。普通ならチェックメイト。王手。その劣勢を覆す秘策をアキオは持っているのか?たとえ持っていたとしても、どうやって覆すのか?

読者の方々、よかったら今回も問題を想像、推測していただければ幸いである。前回はあっさりと看破されたが、今回はなかなか看破出来ないだろう!多分・・・。

 

文字数2487文字

所要時間1時間28分