上段回し蹴りで地球を救うふりをするブログ

読者たちが「クスッ」と笑えるようなおバカブログを書いています。あ、上段回し蹴りと地球は全くないです。

私が風俗嬢に恋し、恋愛ED(イ◯ポ)になった理由 その①

私はかれこれ5年以上は恋愛をしていない。胸がときめく出会いをしていない。胸が熱くなる恋をしていない。もちろん彼女はいない。念の為お断りしておくが、私の中央の足はしっかり使用出来る。天へ向かってそびえ立つことが出来る。まだまだ若者には負けない程だ。

 

ではなぜ恋愛をしないのか?人生の最大の刺激ともいえるイベント。話は簡単である。私が恋愛ED(イ◯ポ)気味なのだ。どんなにいい女を見つけても、オスとしての恋愛的欲求が刺激されないのである。鈍感とかではない。単純に、私が恋愛不能体質に陥っているだけなのだ。ある女性との別れをきっかけに。

 

あれは、ちょうど今日みたいな、夜になると急に温度が寒くなる時期。風俗嬢のマキと会ったのはこの時だった。

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私が20代も後半に差し掛かり、仕事とプライベート共に最も充実した時期だった。彼女も何人か付き合っていた。そんな頃の私は一言で言うと、自惚れていた。全ては自分の思うままに動かせるという、何の根拠もまったくない万能感すら持っていた。そのくらい、全てが上手く行っていた。

 

そんな時期、私は若い男性にありがちな性欲を持て余していた。朝立ちは当然、何発発射しても全然しおれない程、異常に性欲が強かった。私は困り果てていた。運悪く彼女がいないこともあり、毎日襲ってくる性欲を自家発電でなんとかごまかしていた。

 

しかし自家発電では到底性欲を解消出来ず、どうしても女性を抱きたかった私は最終手段として、大人の風俗店を利用した。あの時期は、女を抱けるなら誰でもいいといった最低最悪の思考をする程、追い詰められていた。

 

「時代に取り残された」その表現が似合う程、寂れたビルにそのお店はあった。後から分かったのだが、そのお店はいわゆる「ホテヘル」という類の風俗店で、マンションの一室を受付部屋として使用し、指名した風俗嬢と一緒にラブホテルへ行き、その風俗嬢を存分に堪能出来るというシステムだった。

 

とにかく若い女性が抱きたかった私は、今すぐ指名出来る女性で、一番若い女性をリクエストした。金額は120分コースで18000円と高い方だった。しかし、とにかく女性が抱きたかった私はさっさと支払った。後は指名した風俗嬢が来るまで、私はタバコ臭い待合室でひたすら待った。今でもあの部屋が妙に記憶の底に残っている。

 

そして、マキという風俗嬢と出会った。

 

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私は驚いた。確かに一番若い女性をリクエストしたが、まさかここまで若かったとは。恐らく20代前半、下手したら10代後半だった。それほど若かった。肌がとにかく白く輝き、黒長髪が綺麗にきらめていたのが、私の印象に深く残った。

 

そんなマキは態度は消極的だった。いや、おどおどしていたというべきか。「あっ、あのっ、初めましてっ!マキですっ!よろしくお願いします!」と何処か少女臭い、まだ垢抜けていない雰囲気を醸し出していた。明らかに風俗嬢になりたて、そのものだった。

 

私はやれやれと内心でため息をつきつつも、年上の大人として女性をリードすべき、とにかくマキの緊張をほぐすべく、明るいトークに努めた。「いやー、めちゃかわいいね!」「一瞬アイドルかと見間違えたよ!」「肌めちゃ綺麗だね!」「この黒髪、透き通ってるみたいだよ!」と、完全にホスト役に徹していた。もちろん本心ではなかった。とにかくマキを上手くおだてて、彼女の心を開かせようとした。

 

私のガンガントークが功したか、マキの緊張感や警戒心をすっかりほぐせ、ラブホテルに着く頃には、ガチガチだったマキも笑顔を見せるようになっていた。私は内心で「よし、これで十分なサービスを受けられそうだな。」と下卑た笑顔を浮かべていた。この頃の私は、若さ故の自惚れか、変な自信を持っており、私のルックスやトークで女性なんて簡単に落とせると見下しすらしていた。今思い返すと、吐き気すらする。

 

ラブホテルにチェックインし、シャワーを一緒に浴びた時に、初めてマキの裸体を見た。一言で言うと、「若さが故の美しさ」をマキは持っていた。スタイルはそんなに恵まれている方ではないが、それでも十分美しかった。白く透き通った肌がシャワーの水滴を弾く度に、私は思わず喉をごくりと鳴らした。私がマキの裸体を凝視すると、マキは恥ずかしそうに顔を下に向けたままにしていた。

 

そして私はマキをダブルベッドへ誘い、初めてマキを抱いた。マキと肌を重ねた。マキの体を存分に堪能した。そんなマキを抱いた感想は一言で言うと、「物足りなかった」。マキが接客に慣れていなかったせいもあるが、動きがたどたどしく、男の体を悦ばせる技術が全くもって未熟だった。

 

たくさんの女性を抱いてきた私からしたら、不完全燃焼に終わってしまった。私は決して顔に出さなかったが、「ちっ、ハズレを引いたか。金の無駄使いをしてしまった」と毒気ついていた。そして、マキはそんな私の心の機敏を見透かしていたかもしれない。今となってはもはや推測に過ぎないが。

 

行為を終えた私たちは着替え、ラブホテルを出た。マキと道を一緒に歩く途中、マキはぼつりと呟いた。「ご、ごめんなさい。私があまり上手くなくて・・・。」私は苦笑した。「いやいや、めちゃ気持ちよかったよ。なんなら次もマキを指名してもいいくらい。」もちろんお世辞だった。大金を支払ってまで私を気持ちよく出来なかった人を、なんで次回も指名しなきゃならないんだ。と私は呆れ顔を隠しつつ。

 

するとマキは嬉しそうに、「あ、ありがとうございます!はいっ!それでは次回をお待ちしていますね!」と自らメアド入りの名刺を私に差し出してきた。その時だった。落ち込んでいたマキが一転見せた笑顔。不安から解消されてやっと見せた、どこか儚けな笑み。夜の花のように静かで、手にとれば立ち消えそうな、そんな脆くも美しい笑み。

 

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私はこの笑顔に心を奪われた。こうして私は風俗嬢に恋した。

 

以上。次回に続く。

 

文字数2436文字

所要時間1時間12分