上段回し蹴りで会社の上司と部下たちを倒してみるその③
(現実世界)
A主任はアキオ君を心配し初めた。やはりアキオ君、疲れているな。さっきから机で微動だにしていないし。ああ、今思えば、アキオ君はプライベートで空手を習っていたんだった。空手稽古の疲労が蓄積されているのかもしれない。私はそれを知らずに、アキオ君にたくさんの仕事をお願いしてしまった。なんてことだ。アキオ君は決して首を横に降らないのをいいことに、私はアキオ君に甘えてしまった。
いや、待てよ。もしかしたらアキオ君、うつ病にかかっている!?いや、うつ病に違いない。アキオ君からにじみ出る無気力感。気だるさ。そうだ。そうでも考えないとアキオ君の今の行動の説明がつかない。うつ病は真面目で責任重く考える人ほどかかりやすい。まさにアキオ君がその典型ではないのか。しかも顔を苦しげに歪めてしまっているし。なんてこった!アキオ君がここまで悪化してるのに、上司として気づけなかったとは!僕の無力感を死ぬほど悔やむ!クソッ!アキオくーん!
A主任は思わず立ち上がり、アキオ君に駆け寄るー。