上段回し蹴りで地球を救うふりをするブログ

読者たちが「クスッ」と笑えるようなおバカブログを書いています。あ、上段回し蹴りと地球は全くないです。

上段回し蹴りで会社の上司と部下たちを倒してみるその②

(現実の世界)

A主任はアキオ君をふと見やった。アキオ君はいつも通り、機敏に仕事をこなしていっている。アキオ君は基本的に仕事が出来る。しかも誠実で素直な性格をしており、顧客や社内での評判も高い。僕のキャパ不足から、アキオ君の頼もしさにつけ込んで、どんどん仕事をお願いしているのは心苦しいし、申し訳ない。

 

なんとアキオ君は空手をやっており、大会入賞などで割と強いらしい。しかもそれを周囲に自慢しない。その謙虚さと男としての逞しさが、会社内の女性たちを魅了しているのは羨ましい。僕には全くないのにさ。今の僕のカミさんも、本当はアキオ君からのアプローチを待ってたのに。ハハッ、同じ男としてこうも差がつくのは悔しいな。

 

って、アキオ君、さっきから机に肘をついたまま動かないけど、仕事のことで何か考えているのかな?

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(私の脳内)

A主任が部下たちを引き連れて、私にケンカを売ってきた。

私はこれを快諾し、会社内でケンカ開始。の巻。

私は一応、困った顔をしてみせた。

「A主任、いきなり何を仰るんですか。会社内でケンカなんて。」

そんな殊勝な私をあざ笑うかのように、A主任は悪意ある顔を浮かべ、

「おいおい、アキオ君、とぼけなさんな。」

「いえ、とぼけなさんなと仰られても・・・。」

「僕には分かるんだよ。同じ男として。君の目を見れば分かる。」

!?

「アキオ君はコレが好きなんだろ?」

とA主任は自分の拳をグッと力強く握り、こちらに向けてくる。

ケンカが。」

私は自分でも口が吊り上がり、獣じみた歯が露わになってくる。

「ほう?ということは、A主任は私とのケンカをご所望と仰る?

「話が早いじゃないか。有能な部下は好きだよ、アキオ君。」

「またまた、人をおだてになって。でもよろしいんですか?」

「何が?」

あんたをボコボコにするのを。一応、このアキオ君は強いですよ?

私は湧き上がる闘争心と盛り上がる筋肉を隠すのを止め、一気に開放する!

途端、周囲の温度差が変わり、私の周囲の重力感が異常に増す!

A主任はやや怯みつつも、不敵な笑みを浮かべ、

「・・・やるじゃないか。アキオ君がこれ程とはな。読み違えてたよ。」

「フッ、なら止めますか?このケンカを。A主任だってお年だし・・・。」

「ガキがナメんな!!!」

A主任も私に負け劣らずの闘争心をさらけ出し、大海の津波のような敵意を私に浴びせてくる!私はその敵意に内心ではやや臆するが、決して顔には出さない。

「いいか、上司は部下にナメられたらお終いなんだよ。なぁ、アキオ君?」

「つまり?何が仰りたいんですか?」

気に入らない部下はケンカでぶっ潰す。簡単だろ?」

「ほう!いかにもシンプルでよい!実によい!ナイスですな!」

私の中でA主任の株が急上昇するのを隠しつつ、

「じゃあ、始めます?ケンカを。ここで。タイマンで。

私はすっかり戦闘モードに入り、A主任を威嚇する。

するとA主任はわざとらしく肩をすくめて、

「いやいや、君は強い。あの武井さんや篠原さんを倒した男だ。

「えっ、始める前からもう泣き言ですか?困りますよ、そういうの。」

「フッ。自分の実力くらい分かっている。そして、アキオ君は忘れている。」

「・・・何をですか?」

上司としての権力。これもまた一つの力というのを!」

たちまちA主任を、A主任の忠犬こと、部下たちが取り囲む!

A主任は部下たちに守られながら奥に下がる。

「部下たちを倒して、ここまでかかってきたまえ。アキオ君!」

私はA主任の清々しいまでのグズさに苦笑を浮かべる。こういうヤツ嫌いじゃないな。うん。

私はA主任を守る部下たちに視線を移し、一応警告を出しておく。

「おいおい、いいのかい?A主任の立派なご忠犬さんたち?お前たちをボコボコにするんだぞ?

すると部下たちは、私をキッと睨みつける。

「フッ。アキオ先輩、あんまり俺たちをナメてもらっては困りますな。」

「そうだ。俺たちだってやる時はやりますぜ。」

「ああ、俺たちにだってケンカ魂はあるさ。

「逆にアキオ先輩をボコボコにしてやりますよ!」

私は部下たちの剣幕の強さに内心では「ほう!」と思いつつ、

「フッ。確かにケンカは常に一対一とは決まってない。でもな。」

私は両腕をあごまで上げ、少し腰を落とし、格闘の構えをとった。

冷徹な、残酷な、凄惨な、狂犬の目をし、

「全員ボコボコにしてやんよ!」

私は突っ走ったー。

 

 

以上!次回お互いの拳がぶつかり合う!!!

 

文字数1817文字

所要時間1時間36分