16歳の高校生をボコボコにした3◯歳の私④
前回のあらすじ。
大魔神の暴力的なまでの攻撃に耐え切ったやる夫。
私はそんなやる夫を見直し、よりボコボコにしようと決意を固めた。
しかしある日、やる夫の大会戦績は予選敗退がほとんどと聞かされたー。
「えっ、ウソでしょ?」
それが私の第一の感想だった。
信じられない。やる夫は確かにスピードは並かもしれないが、タフさは間違いなく上級レベル。私だってKO出来る自信が全くない。
ただ、やる夫との組手中でも気になっていたが、
「このやる夫に勝てはしないが、負けもしない」
と思わせる何かがあった。
私ごときの文章力では読者にイメージを湧かせにくく、大変申し訳ない思いだがそれでもポケモンで例えると、
「やる夫はゴローニャ」のイメージがふさわしいだろう。
※防御力はすごいが、素早さはかなり鈍いポケモン。
素早さがなければダメ
格闘における勝負は、結局のところ攻撃の強さ・スピードで決まる。
ポケモンのステータスで例えると、やる夫は防御力120に対し、攻撃力は100、しかし素早さは40しかないといった感じだ。
なので守りは難攻不落の要塞並だが、攻撃はスカスカとカスるばかり。
単純な話である。やる夫は打たれ強いだけである。
分かりやすい例として、
強い空手家の突きは、
※腰の回転が上手く、スピードが速い理想的な突き
これに対してやる夫の突きは、
※正直スピードが遅く、空手暦が浅い私でも見切れてしまう程の突き
スピードが遅いのは空手としては致命的
私でも見切れるのだから、当然やる夫の攻撃は相手へは当たりにくい。
私はここに才能のある者、才能のない者の壁を感じた。
やる夫は空手を中学から始め、空手暦は5年とのこと。
5年。
これだけ長い時を重ね、年頃の遊びたい気持ちも我慢し、ひたすら空手に打ち込んで、大会予選敗退が常。
こんな事は言いたくはないが、努力を重ねてもこの結果なのだから、彼は才能がない者なのかもしれない。
これではあまりにも救われないではないか。私も悔しくなってきた。
いや、救いはあった。
やる夫の目は闘志で満ち溢れている
「まだまだ俺は強くなれますよ!」
と言いたげな表情に、私は深い安堵感を覚えた。
その力強い目があれば大丈夫。彼はまだ16歳の子どもではないか。
今後も稽古を重ねていけば、彼は更に強くなるだろう。
「努力はいつか報われる」
かつて私が証明できなかったことを、是非やる夫は証明して欲しい。
私は高校時代は落ちこぼれだっただけに、余計にやる夫に期待を寄せてしまっているかもしれない。
彼は今は緑帯(中級)レベルだが、黒帯(上級)レベルまで達して欲しい。
オチとして
これも後になって気づいたことだが、JKのOさんもやる夫と同じ時期に、道場に入門したらしい。
つまり、JKのOさんはやる夫の頑張りをずっと側で見てきたのである。
通りで、大魔神の猛攻にも決して怯まなかったミット打ち練習で、JKのOさんのやる夫を見る目がメスの顔になっていたわけである。
同じ男女高校生の甘酸っぱい青春物語。JKのOさんのおっぱい揉み放題。
それなんてエロゲー。
途端に私は嫉妬という怒りが膨れ上がっていくのを感じた。
よし、次回はもっとやる夫をボコボコにしよう!!!
終わり~。