もし人気ないところにおパンティーが落ちていたら
唐突だが、私の過去の体験を語らせて欲しい。実話である。
あれは一年前のことだった。
今日みたいな夏の暑さも大分和らぎ、涼しさを感じさせた夜の時だった。
社畜のようにこき使われ、心身ともにボロボロの状態で、「あんなクソ会社いつかピーしてやる」という、世界中の怨念を集めた負のオーラを醸し出しながら、私は当時住んでいたアパートに帰宅中だった。
アパートに着き、「ああ、今日もエックスビデオ先生にお世話になるか」と人生の負け犬組まっしぐらの夜の過ごし方を思考しながら、廊下を歩いていた。
そんな時だった。
私の目の前におパンティーが落ちていたのだ。
私は最初はそれをタオルだと思った。
私の当時住んでいたアパートには、コインランドリーも併設されていたため、よく他人の洗濯物の忘れ物を見かけていた。
今回のケースもそうだと思い、とりあえず他人が踏んでしまわないよう、廊下の端にどけようと、タオルを手にとった。
そこで私は固まった。
「これ、タオルやなくて、おパンティーや!!!」
あまりにもの急展開に私の時は止まった。おパンティーを両手で広げながら。
私の思考は当然止まっていた。
どうしておパンティーがここに?
本当に女性が履くあのアレ?
男のものじゃなくて、ガチで女性のもの?
色ってこんなに薄かったの?
そういえば、昨日はカレー食べたっけ?
などと、わけわからない思考で、私の頭の中が埋め尽くされた。
30秒後。
正気に返った私は、たちまち究極の選択を迫られた。
・おパンティーをゲットする
・見なかったことにして、元の場所に戻す
今よく考えれば、どう見ても後者だろう。いくらなんでも人の所有物だし、第一手にしたところで、何に使用するんだ。
しかし、当時の私はすっかり混乱していた。
例えるなら、会社で重要な会議中、突然部長が「これがあるから私は天使になれないんだ!」といきなりカツラを脱ぎだし、号泣する場面に出くわすようなものである。
そこで最低の告白をしよう。
私の数少ない女性読者がすっかり幻滅し、読者解除、あるいははてなブログ運営さんに通報するのかもしれない。
だが、私のような者を出してはいけないという警鐘として書きたい。
匂いをかいだ。
なぜあんな行為をとったのか、今もよく分からない。
ちなみに匂いは当然だが、洗濯したてのふんわりとした優しい香りだった。
よくよく見れば、使い込んでいたのか、布が少々くたびれていた。
糸のもつれも見かけ、少々緩んでいる部分もあった。
私は思わず、
女性のおパンティーって、布面積がとても小さかったんだ・・・。と呟いた。
恐らく私が履いたら、パツンパツンだろう。
いや、そもそも太もも辺りで履けなくなるだろう。サイズが明らかに合わない。
ならブラジャーは?そもそもブラジャーはどうやって着るんだ?寄せてあげる?
・・・はっ!!!
私は我に返り、辺りを見回した。幸い私以外の人はいなかった。
慌てて、もう一回匂いをかぎ、そっと元の場所に戻した。
そして猛ダッシュで私の部屋に逃げ帰った。
ドアに背を預け、まだ暴れ狂っている心臓に手をやる。深く息をつく。
危なかった・・・。私は真っ暗の空間で、この言葉を漏らした。
あれは正常な状態じゃなかった。確実に混乱していた。
しかし、おパンティーをゲットする最低の行動をとらなくて済んだ。
私の自制心なかなかやるな!グッジョブ!!
えっ?匂いをかいだ?
あれは確認のためだ。もし有毒物質を発していたら、アパートの住人たちの安全が脅かされる。私はその危険性を考慮し、自ら体を張ったんだ。私は悪くない!私は間違ってない!トラストミー!
なお、人間は追いつめられると、このように過剰に反応することも付け加えておく。
こうして、私のおパンティー騒動はこれで終わった。
毎日ルーティンのように繰り返される私のクソ面白くない日常に、とんでもないサプライズだった。
あんな体験は滅多にない。人生何が起こるのか分からないものだ。全く。
もしあなたならどうしただろうか?
おパンティーを手に入れた?それとも見て見ぬふりをした?食べた?
胸に手を当てて、少しだけ考慮していただければ幸いである。
この思いっきり最低最悪な記事を書いた甲斐が、少しはあるものだ。
今回の教訓
女性のおパンティー、魔物や。
以上~!
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