男の娘との闘いの果て
結論から言おう。私は負けた。男の娘と。お互い全裸となり、全身全霊をかけた、まさに死闘そのものの闘いを繰り広げた。
そして、私はその闘いに敗れた。
今の私の心情はこんな感じだ。
まずは敗因を書こうと思う。読者の諸君は呆れ果てているかもしれないが、少しでも参考になれば幸いである。もっとも本当に参考にしたら、私はドン引きするが。
風俗嬢で大当たりを引く。
これは非常に難しい。経験が重要なのは言うまでもなく、運も左右される。
私は何も負け戦を挑む程、愚かではない。風俗店のサイトのチェック、写メチェック、日記チェック、はては口コミチェックなど、ストーカー顔負けのレベルで男の娘の情報を集めまくった。
私が希望した男の娘は、顔が綺麗系で高身長のスレンダー系だった。例えるなら、黒木メイサの男の娘バージョンだった。
私は「黒木メイサの男の娘バージョンを抱くんだ。たとえ明日に地球が終わるとしても抱くんだ!」と呪詛のように繰り返しながら、ネットのサイトで必死に該当する男の娘を探した。
そして奇跡的に私の条件を満たす男の娘を見つけた。私はすっかり興奮し、もちろんすぐ予約した。「明日は男の娘を抱ける!」と思うと、昨日は興奮して寝付けなかった程だ。
そして今日、念願の男の娘と会った。風俗店の受付で料金を支払い、寂れたラブホの部屋で待つことに。
待たされる間、すっかり私は少年のような気持ちだった。まるでクリスマスプレゼントをもらう気分でさえあった。こんな時間が永遠に続けばいいのに!とさえ思った。
そしてドアがノックされ、私は「来た!来た!」と胸が急に高鳴り、ややもたつきながらドアを開けた。そして、初めて男の娘と会った。
その第一印象から言おう。
大当たりだった。
顔が綺麗、スタイルが美しい、愛想もよし。
嘘だろ?これで男の娘なんだぜ?おち◯ち◯ついてるんだぜ?
※これはあくまでもイメージ写真です!実際の黒木メイサはおち◯ち◯はついておりません!
すっかり私の真ん中のロンギヌスの槍は臨戦状態。もちろん男の娘に悟られないよう、やや前かがみになって誤魔化した。
早速私は男の娘をベッドに誘い、座らせた。いきなりプレイを始めるのは素人のやること。ガツガツするのは浅ましい。私のようなベテランの変態紳士は、最初はトークで気分を盛り上げ、更には男としての余裕さとスマートさをアピールすることを重要視している。
私はあれこれ甘いトークで口説いた。「今日寒かったよねー。」「うわぁ、髪サラサラだなぁ。すごいや。」「目元がとても綺麗に整ってるね。」「もう美人すぎ!うちの会社の処女共がゴミに見えるレベルだよ。」と、とにかく男の娘をおだてた。私の必殺パターンである。
男の娘も私にすっかり気を許し、笑みをこぼすようになった。私はこの機を逃さなかった。獲物を仕留める一番のタイミングは、スキを見せた瞬間である。これ鉄則。
私は変態紳士らしく、顔をキリッとさせて、
「んじゃあ、そろそろ始めよっか?」「・・・うん///」
お互いに服を脱ぎ出した。先に生まれた直後の姿になった私は、「とうとう!男の娘の生裸が拝める!」
女顔負けのルックス、スタイル、色気、そしてち◯こがついているという、正に性のアンバランスさに、私は未知の世界をとうとう踏み出すんだ!と、年甲斐もなく感動すらした。
具体的に言えば、富士山の初日の出を拝むような心境だった。
と、そこまでだった。私の淡い夢が消滅するのは。
私は脱ぎ終わった男の娘の全裸を見た。私はある部分をガン見して、こう一言。
「ち◯こでかっ!グロッ!」
この言葉しか思いつかなかった。よくよく考えれば、いくら男の娘といえども、さすがに性的には男にあたる。ちん◯があるのは当然だろう。
私はこの事実をすっかり喪失していた。現実の男のち◯この、あまりにものリアリティさに驚きを隠せなかった。あの時の私の顔はこんな顔だった。
ここでようやく私は悟った。AV女優の男の娘と、リアルの男の娘は全く違うのだと。どとのつまり、私はAVに出演する男の娘を見て、これがリアルなのだと勘違いしていた。
リアルの男の娘をマジマジ見てみると、体格もどこか不自然。肩幅が大きかったり、脚も太かったり。中でも、黒光りするち◯こが、どうしても私には受け入られなかった。生理的に無理だった。
いくら、黒木メイサ並のルックスとスタイルであっても、ち◯こがついていたら無理!!!
※黒木メイサさんには何の恨みもありません。
すっかり私は萎えてしまった。私の真ん中のロンギヌスの槍は折れた。戦意喪失。ギブアップ。リタイア。KO負け。完全に、私に男の娘を愛でる属性がないことが判明してしまった。
しかし福沢諭吉さん二人を払った私はどうしても元をとりたかった。
なので、男の娘のち◯こをモミモミしてみた。今思えば、狂気の沙汰そのものだった。
みるみる固くなる男の娘のち◯こ。男の娘の喘ぎ声が溢れ出てくる。ひたすら機械的にさする私。なんなの、この絵。
あの感触と声は死んでも忘れられない。
結局、プレイ中はずっと男の娘のち◯ち◯を触るだけに徹し、私の初体験はクソミソに終わった。
なお、帰り中、男の娘のち◯こを触った感触がやけにこびりつき、何回も匂いを嗅いだ。意外とフローラルな匂いだった。
以上ー!
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