「尾行」という禁断の味を知ってしまった、そんなイカくさい私の記事
私はどこにでもいるニート。
働かないで食う飯がうまい今日。
そんな私だが、今迷走している。
私の性癖が会社にバレ、いづらさから退職し、毎日24時間フリーの日々を手に入れ、自由という名の翼を背中につけて、「アイキャンフラーイ!」を叫ぶ今日。
そんな私は取り返しのつかないゾーンに達しつつあるのかもしれない。
最初は偶然だった。本当に全く故意はなかった。トラストミー!
あれは私が日課の散歩中だった。
太陽さんもギラギラな真昼間。
私が「全ての生物◯ね!」と怨念、マイナスイオン、道連れオーラを発しながら、犯罪者そのものの足取りでブラついていた時。
たまたま私が通っていた場所が、大人のホテル、メイクラブに最適な空間、数百億の精子たちが昇天し、ゴムさんがもっとも使われてそうな、そんなラブホが並ぶ場所だった。
そんな大人のホテルから出てきた、どう見ても風俗嬢とお客さんのカップルを目撃してしまった。
その瞬間、私の天使がこう頭の中にささやいてきた。
「お客さんとバイバイした後の風俗嬢はどこへ行くのかな?」
私の足はいつの間にか、風俗嬢の後をつけていた。
ここで私なりの尾行のテクニックをレクチャーしたい。
対象にバレないのが絶対条件。
対象とは近すぎず遠すぎずの距離を保ち、
スマホを片手に「ここはどこだろう。迷ったなぁ」ふりをし、
対象の歩くペースを見切り、
対象を警戒をさせるような動作は厳禁で、
対象が止まれば、私も自然に止まり、
何よりも、
「どこにでもいるモブキャラ」
を完全に演じ切る。
そして当たり前だけど、尾行は相手を怖がらせたりや迷惑にさせるし、犯罪になってしまう可能性もあるからダメだぞ!ダメったらダメだぞ!
これはニートおじさんとの約束だぞ!
しかし全てを失い、守るものもない、無敵モードの私は関係なかった!
そんな訳で風俗嬢たちがどこから来てどこへ行くのか、尾行してしまった。
これも真昼間の狂気、白昼夢のせいだ。アタイは悪くない!
ラブホから出てすぐ、
「俺こっちだから」とお客さんがさっさと帰っていき、
一人残された風俗嬢は、お客さんの背中が小さくなるまで見送り、
やるせなさと情けなさを胸に秘めながら、
元気をなくしたかのような足取りで、
どこかへと去っていこうとする瞬間だった。
風俗嬢は一見して、「色っぽい人妻系」だった。
すらっとしたスレンダー系にややセミロングの黒髪。モデルでも通用するクラス。
年齢はアラサーだが、熟れた大人の色気と魅力を十分に備え、
商売用の色っぽいワンピースが、反発するはずのエロスと清潔さを引き立てて、
更には、腕まで露出させて透き通った白肌に、くびれとお尻の引き締まりが服の上からでも分かる程。
尻の肉つきとラインがよく、歩くたびにはねる弾力感が、男の劣情を刺激させる。
自分のやっている事に後ろめたさを感じているのか、どことなく自信なさげでひとりぼっちの子猫そうな表情。
私のどストライクだ。時速160キロ級だ。
と。
さすがに私の中の悪魔が見かねたのか、
「そういうのはあかんで!男がやることやないで!」
私はその言葉に従い、途中でやめて、家に逃げ帰った。
もちろんその後は人妻系のAVで・・・。
おっと、何でもないです。
ただ、困ったことに。
それ以来、ラブホから出てくるカップルたちを観察してしまう癖が身についてしまった。自然と尾行しかけてしまう。
多分自分がされたらブチギレると思う。それ以前に、おまわりさんに肩を叩かれる可能性が十分に高い。
「尾行じゃないよ!歩く先にたまたまいただけなんだよ!」
「どう見ても尾行だろうが!バレバレなんだよ!」
私の中の天使と悪魔が取っ組み合いケンカを始め、困ったことに決着がつかない。
これも無職が悪いんだ!
ニートが容認される世間が私を甘やかせるんだ!
私のようなプータローが時間と体力と気力と精力を無駄に余らせ、
そう!
今の社会が悪いんだ!
これも全て今の政治のせいだ!
そうに決まってる!
うん、そうに違いない!
私は今の日本に反逆する!!!
私は白石茉莉奈さんの人妻系AVを全身全力で見ながら、こう叫んだ。
そして、うっ!となり、私の体から精子が出ていき、私の世界が静止した後、
私は丸くなったテイッシュをゴミ箱にダンクシュートさせ、
今このイカくさい記事を書き上げた。
ムラムラしたら犯罪に及ぶ前に、一発出す。
案外、これは世界の理を貫いているのかもしれない。
うん。
ラブアンドピースは大切ダネ!
以上ー!
所要時間48分
文字数1811文字