出世させられた俺の話、聞いていくかい?
お久しぶりです。四ヶ月間も、ブログを放置プレイしていたアキオでございます。許してちょんまげ。
さて、今回は会社に勤める方々のためになればと思い、執筆させていただいた。
私はどこにでもいるおじさん。今年で3✕歳のごく普通なサラリーマン。最近残尿感がきつくなってきた、そんな今日。
出世さられた。
出世した、ではなく。
出世さられた。
である。
私が今の会社に勤めて、もう7年以上。
私は入社2年目からエース級の活躍をしてしまった。周りで無能はあまりいないが、有能な社員もあまりいないという、明らかに「主人公ポジション」が約束された部署に配属されたせいもある。
そして「アキオ君って、ウサイン・ボルトみたいだよね」と会社の同僚に言われた。
仕事は仕事なので、私なりに頑張ってきたと思う。
仕事で手を抜かずに真剣に向かい合い、上司や社員たちには誠実な対応を心がけていた。
もちろん、裏では「ホーケイどもが!!」と罵っていた。
そんなかんやで、上司たちの評判は意外とよく、2年前に「アキオ君、出世とか興味ある?」と昇格試験を持ちかけられた。
だが断る。
とは面に向かって言えず、渋々受けた。
筆記試験ではそれなりの点を出した。次の面接で、
「えー、ボク自信ないんでー、もう少し経験を積みたいですー。今は出世とかまだ無理ですー。」
と、面接官に向かって本音をぶちまけた。うーん、俺ロックンロール!
出世?冗談じゃねぇや。
出世のメリット →給料がちょっとアップ・周りに自慢できる・結婚しやすい
出世のデメリット→ノルマの倍アップ確定、上司からの無茶な要求、部下からの突き上げ、毎日残業確定、慢性下痢確定のプレッシャー、血尿が出るレベルのストレス、会社の犬になってワンワンッしか言えなくなる、部下たちの怨念を一身に引き受ける、女性社員とマンガみたいなH展開は一切なし、他にも他にも・・・!
そんな感じで、出世のメリット・デメリットを考えても、私に「出世する」というビジョンは全く持てなかった。もちろん「出世」すると今以上に仕事が楽しくなる可能性もある。
でも私は出世したくない。今のままが一番。停滞サイコー。
そして今年の3月。
私の「出来杉くん」キャラで、A主任にプレッシャー&ストレスを与え続け、とうとう「ストレス性胃腸炎」で上司をKOさせてしまった事件。
この時、上司のさらに上司、部長レベルの人と面談という名の反省させ会。
A主任への遠慮からか、前の日記では書かなかったが、部長の口から強烈な右ストレートをいただいた。
「アキオ君。はっきり言おう。君は仕事が出来る。十分優秀だ。周りの人からの信頼もあるにはある。君自身は出世に興味がないのも分かる。この前昇格試験を受けたよな。君はかなりいい点数を叩き出しながら、面接で「私は人の器に立てるタイプではないです。」と公言。あれはさすがの私も苦笑いしたよ。」
私が「嫌味かよ。」と内心ではため息をついていたら、続く言葉が私のため息を凍らせた。
「アキオ君は何一つ悪くないし、仕事面は真面目で優秀。人も集まる。なのに出世したくない。もちろん、出世拒否をしたからといって、解雇させる権利はうちにはないし、する気もない。今後は普通に「会社にとって迷惑な人」扱いをするだけです。納得がいかないかもしれないけど、アキオ君が平社員で居続けると困る人たちがいるんだよ。A主任は上司だからともかく、周りの同僚たちにもプレッシャーを言外に与えているよね。アキオ君の仕事ぶりで。これはどうなのかな。もう一度よく考えてみてほしい。」
私は悟った。
そうだったんだ。自分でも薄々は気づいていたけどさー。はっきり言われない内は、なんとかごまかせると思ってたんだけどさー。
恐らく、部長はこれでもかなり優しく諭してくれている。よく言い聞かせてくれているが、宣言されてしまった。私がこれ以上逃げの構えを見せないように。はっきりと現実を突きつけてきた。
「出世しないと会社に居場所はないよ。」と。
ああ、もう笑うしかなかった。
笑って、笑って、悩んで、悩んで、ひたすら悩んで。
こうして、私は出世を受け入れた。
そして5月からアキオ副主任として、職の場に立った。
出世からはや三ヶ月の今日。
私は退職を検討している。
以上。
所要時間2時間05分
文字数1799文字